みどり病院看護師のブログ

みどり病院(岐阜県)の看護師に関する情報を発信します

自宅で看取るということ②

前回からの続きです。
 
私は看護師ですが、
「このままでいいのか・・・・」
「この先どうなるのか・・・・」
とたくさんの不安がありました。
 
医療従事者でない方が在宅での看取りを選択されることは、
並大抵のことではないと、強く実感しました。
(私のたいへんさは、
自宅がすこやか診療所から離れているため、
主治医が近医に代わることになったというのもあります)
 
今年の天候不順は、義父の体へのダメージが大きかったようで、
呼吸が苦しくなり、通所できなくなりました。
じっとしていても呼吸が苦しくなってきたので、入院をすすめましたが、
義父は「病院で気を遣うのが嫌だから入院はしたくない」と
自宅で過ごすことを希望しました。
 
無類のお酒好きで、毎日3時のおやつは1合のお酒とつまみ。
夜は家族と乾杯。
食べ物を食べるときはよくむせましたが、なぜか日本酒はごくごく飲めました。
義父にとって、日本酒は命の水でした。
(入院をするとお酒が飲めなくなることも、
入院を嫌がった理由のひとつです。)
 
キリストと同じ誕生日の義父に、
「あと少しで90歳だから頑張って」と言うと、
「もう頑張れない」と答えました。
亡くなる前日には、「寂しいからそばにいてほしい」と
義母に話していました。
呼吸ができない苦しさから、もう生きていたくないとも言っていました。
 
少しずつ動けなくなるのは、義父自身も辛かったと思いますが、
自宅で孫の帰りを待ち、
義母に見守られて逝った義父は、
私たち家族がもっとできることがあったかもしれませんが、
幸せだったと思っています。